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東アジア世界と古代の日本 石井正敏

 唐、新羅、そして韃靼。古代日本を取り囲んでいた東アジア諸国の関わりを描く日本史リブレット。当然のように最大の磁力を放っているのが中国の華夷思想だ。「この思想まで輸出されていた」のはなかなか皮肉な話で、海を通じて大きな影響を受けながら直接侵攻にさらされる危険の少ない日本は、新羅や韃靼に対して皇帝のごとき上位者として振舞おうと無理をしている。
 その背伸びは外交慣れした諸国に見透かされて、唐と関係が怪しくなった時や貿易の便宜を図りたい時だけ“日本の宗主権”を形の上で受け容れてもらえる結果になっている。なんだかなぁ……。

 まず威張る基準からしてパクリというのが虚しい。物分りの良い周辺諸国にゴッコを付きあわせて下手に喜べば喜ぶほど、かえって格を落としてしまう気がするよ。
 まぁ、偉い人たちは分かっていても、下々への権威付けのために都合が良いのは、あったのだろう。遠く話にも聞かないような国の使者が、天皇にへりくだったと聞けば、よくわからないが凄いと思ってもらえるはず。そういうあやふやな尊敬こそが大事なのだ。

 一面では幼稚な外交を行っているかに見える日本だが情報収集には熱心だったことも分かった。唐の混乱に乗じて新羅を攻める一歩手前まで行ったというのは歴史のIFを妄想させる史実だ。
 長らく日本の華夷思想に藩国としてお付き合いしてくれた渤海も興味深い国で、対新羅や対唐の関係からも夢のある存在だった。

東アジア世界と古代の日本 (日本史リブレット)
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