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月岡芳年の武者絵〜大日本名将鑑 歴史魂編集部

 江戸時代から明治時代にかけて活躍した浮世絵師、月岡芳年の名将に関する作品集を収録して、詞書の現代語訳と現代の評価に則した解説を加えた本。
 神話時代から江戸時代の初めまで、多くの名将が収録されているのだが――足利義政てめーはダメだ!
 まえがきによれば時代のギャップを埋める意図があったと考えられるようだが、それならスーパー魔法使い細川政元とか……微妙だな。中世にはクレイジーな人物が多くて困る。
 足利義満と徳川家光の絵からは何となく対比できるものを感じた。三代目時代の安定感は大切だ。

 傾向として平将門の乱に関係した人物や平家物語周辺の人物が多くて、戦国時代には淡泊という構成が新鮮だった。平将門の扱いに関しては「江戸という地方」の色が残っていた時代の気配を感じた。
 時代背景で言えば、蝦夷討伐で名を上げた人物が多く題材になっていることは、北海道が開拓されていたことと関係がありそうだ。足利尊氏に関する詞書があまり好意的ではない背景にも尊王が勝った明治時代が影響しているものと思われる。
 巻末コラムによれば収録されないというバカげた可能性すらあったようで――そんなのことになっても、平将門が敵役として描かれたように、新田義貞の敵として描かれただろうなぁ。

 浮世絵そのものは、とても斬新な構図が多く、緋色の印象的な色遣いとあわせて目を楽しませてくれた。現代の漫画家が読んでも良い刺激を受けそうだ。
 言いたいことはコラムで一通り言われてしまっているので、それをなぞるだけになってしまうのが悔しい。

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大日本名将鑑―月岡芳年の武者絵
大日本名将鑑―月岡芳年の武者絵
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