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世界の戦争8 アメリカの戦争 猿谷要

 対インディアン戦争とアメリカ・フィリピン戦争の記述に反吐をもよおした。鬼畜米英の英はともかく米は真実なんじゃないかと思ってしまう。
 それくらいアメリカ人のやったことが残虐で、目を覆うばかりなのだ。その実行者が貧しい白人であったことを考えれば、衣食足りて礼節を知るという言葉が本質をついているのかもしれない。
 フロンティアでは多くの白人が貧しかったことは否めず、また軍隊に身代わり入隊する人々の経歴も推して知るべし。そんな状態にあらゆる蛮行を正当化する「明白な運命」の思想が相まって大きな惨劇を呼んだのかもしれない。

 だから「戦争は地獄だ」という名言の生まれた南北戦争で、力量の近いアメリカ人同士が大量の血を流したことに、溜飲が下がるに近い感想を抱いてしまう。
 その南北戦争ですら北部と南部の国力差は、相当のものなのだが……人口差は知っていたが、そのほかの生産物まで表にまとめられていて興味深かった。こうしてみると北部もトウモロコシの生産量などは大したものであり、工業力を誇っても決して農業力が低いわけではなかったことが大きく戦局に寄与している。
 逆に劣った工業力しかなかったにも関わらず、弾不足で負けた戦いはなかったとされる南部連合の生産体制の健闘ぶりにも注目したい。南部の造兵局長ジョサイア・ゴーガスは、リー将軍並に評価されるべき!

 そんな持たざるものの生産努力が、持てるものに利用されれば、結果は恐るべきものとなる。南北戦争の結果に、20世紀におけるアメリカの戦争の結果を見ずにはおられなかった。

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世界の戦争 (8)
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