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中国古典兵法書・三略 真鍋呉夫

 著者・成立年代不明の兵法書「三略」について、訳文と書き下し文を掲載した簡略な本。変な応用方法をくどくどと説明していないので、エッセンスを知りたい人間には、かえってありがたい。

 冒頭の解説で言われているように「柔よく剛を制す」思想が反映されている兵法書であって、驚くほど「普通のこと」を熱弁している印象を受けた。
 信賞必罰しろとか、民を愛せとか、否定しようのない正論が多い。
 それがわざわざ説かれているのは、「当然のこと」が出来ない君主が実に多かったことを物語る。悲しいことだが、自然のようにも思われる。
 あるいは、今の常識を作り出したのは、こういう思想の積み重ねなのかもしれない。

 ただ、善意に満ちた三略の方針に従うだけでは、刹那的な勝利を欲する謀略使いに対処しきれない気がした。
 いちおう情報の重視に言及しているし、賢臣を用いれば、自然と彼らが謀略に気づいてフォローしてくれる発想なのか。
 乱世を乱世のまま生き延びるよりも、乱世に平和をもたらすことを目指した志の高い兵法書だった。
 特に戦いがなくなってからの軍隊の武装解除を、国家存亡に関わることとして、重視している点が印象的だ。

三略 (中公文庫BIBLIO S)
三略 (中公文庫BIBLIO S)
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