見分けるポイントがわかる 鉱物分類図鑑 青木正博
2013.03.05 Tuesday | by sanasen
また青木先生が鉱物の図鑑本を出している。いいぜ、とことん付き合ってやる!そんな気分になって読んだ。
本書の特色は最初に鉱床の種類をまとめて紹介して、鉱物そのものの紹介をおこない、最後に鑑定方法に言及する構成にある。鉱床の写真が充実していて、さすがにそこはプロだと思った。
おかげでキースラガー鉱床の意味をはじめて知ったような気がする――出来の悪い頭が忘れていただけかな?
紹介されている鉱物は産業技術総合研究所の地質標本館から持ってきているだけにクオリティが高く、国産鉱物でも外国産鉱物に迫力負けしていない。しばしば一般に入手できるレベルを遥かに超えている。
ただ、キャプションにいくつか間違いがあって、水晶と長石につく矢印が逆になっていたり、煙水晶が紫水晶と紹介されていたりした。ソーダ沸石の指示箇所も怪しい。中沸石の写真に出ている緑色の鉱物は魚眼石だが、紹介文では葡萄石と勘違いしそうだった。
私がそんな細かいところを気にするのは、あまりにも多くの鉱物図鑑を読んでしまったせいであろう。
記載データは簡潔で、大抵の鉱物は産地が紹介されているし、フッ素カンニッロ閃石:Fluorocannilloite(リンク先は私の標本写真)なんてマニアックな鉱物まで収録されていた。
総合すれば流石によくまとまった一冊だと思う。
採集先に有名産地ではなく、地質図と地形図を駆使して自分で探す産地を勧めている点は時代なのかな。空振りにへこたれない気力と、道なき道を踏破する体力、きちんと生還する生存力が必要だ。
気力については、石が採れなくても、地質や地形を実際に目にするだけで満足できる教養と知的好奇心を備えていれば何とかなるかもしれない。条件を満たす人が鉱物ファンに増えることを願ってやまない。
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