<< 時間の森〜屋久島 山下大明 | main | 大陸別世界歴史地図5〜アフリカ大陸歴史地図 >>

大陸別世界歴史地図4〜南アメリカ大陸歴史地図

 かなり独特の歴史を歩んだラテン・アメリカの歴史を地図の上で理解していくことができる歴史地図帳。
 スペイン人に滅ぼされる前から滅びているアステカやインカよりも古い文明の紹介から始まって現代南アメリカの政治状況までが描かれている。インカ帝国拡大前の諸国群立状態には非常に魅かれるものがあるのだが、パチャクティの統一事業に関する情報がインカ帝国の滅亡や彼らが文字をもたなかったことから限られてしまっていることが残念である。
 アステカ帝国は領土の内部に「トラスカラ」の存在を許してきたことが気になった。いつでも攻撃して生贄を入手できる対象として、わざと残していたのか?スペイン人の到着前には領内でテオティトランも独立を許されており、全周を囲った敵を残すことはアステカ人の特徴なのかもしれない。
 地形などの制約で自然とそうなることは旧大陸でも珍しくないからな。

 スペイン人とポルトガル人の末裔がつくってきた現代に通じる中央アメリカと南アメリカの歴史では、世界の反対側で行われてきた戦争が興味深い。
 三国同盟戦争ではパラグアイがブラジル・アルゼンチン・ウルグアイに袋叩きにあい、太平洋戦争ではチリがボリビアとペルーからグアノ資源のある太平洋岸の土地を奪い取った。そして、グラン・チャコ戦争ではパラグアイがボリビアに大勝利……一勝一敗のパラグアイはともかく東西で全敗しているボリビアは悲惨だな。名前の由来になったシモン・ボリバルが泣くぞ。
 ボリバルは南アメリカ諸国同士で戦争をやらかしていること自体に草葉の陰で泣きそうだが。でも、いちばん悲惨なのはアメリカから良いように叩かれているメキシコかもしれない。
 こういう南米諸国同士の緊張関係があって第二次世界大戦時には南アメリカの強国が一隻ずつ超ド級戦艦を保有する状態になっていたのかと、感覚を掴むことができた。

 どの国も少なからず政治的な混迷を経験していて――チリとパラグアイ、ブラジルは途中まで上手く行っていたのだが――それでも何とか未来へ進もうとする姿を応援したくなった。そして、まるで無風状態のイギリスやオランダ、フランスの領土(現在のガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ)の存在が地図上で異彩を放っていた。パナマもアメリカにとっての似たような土地に思えるところがある。

南アメリカ大陸歴史地図 (大陸別世界歴史地図)
南アメリカ大陸歴史地図 (大陸別世界歴史地図)
カテゴリ:歴史 | 09:48 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 09:48 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック