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大陸別世界歴史地図5〜アフリカ大陸歴史地図

 人類発祥の地という意味で最も古い歴史をもつアフリカ大陸の歴史地図集。民族分布の変遷の激しさ、ヨーロッパ人の影がチラつき出してからの圧倒的な変化が印象的だった。
 ちょっとでも地歩を確保させれば、いずれは全土を掌握される。結果的には、そんなイメージを持ってしまうけど、ヨーロッパ人が元々アフリカ大陸を制圧する目的をもっていたわけではなく、交易拠点とそれを守るための砦が確保できれば満足していた時代もある。
 ほとんどの国が独立を失ってしまった結果には「地図の功罪」も影響しているのではないかと、ひそかに思った。ポルトガルやベルギーの植民地は列強を名乗るための「ファッション」に思えてしかたがない。
 スペインの植民地が少ないのはポルトガルとの間で地球山分け条約を結んでいた影響か。しかし、なかなか手放さないので飛び地が世界中に散らばる結果に――日本の感覚では維持するの大変だろうと思えるのだが、イギリス人も似たようなことをやっているので、ヨーロッパ人には別の考えがあるに違いない。まぁ、海上輸送は低コストだし。

 アフリカ大陸が植民地化される前のほとんど名前も知らない国家がいくつも現れるところが、本書の醍醐味だった。情報は非常に少ないが、それでも星が現れては消えるような興亡の歴史に夢を馳せらせずにはいられない。
 結構、帝国の名前がついている国も多い。ヨーロッパ的な感覚でいえば――もちろん日本的な感覚でも――かなりの面積を支配している国が多いからなぁ。アフリカ全土を表示する地図を見たときは縮尺の錯覚に陥らないように注意が必要だ。

 個人的なお気に入りはヴィクトリア湖の北で領土は他の国より小さいながらも粘っていた「ブガンダ」だ。ちょうどクリミア汗国を見たときに似た感覚を覚えた。宣教師のプロテスタントとカソリックの違いを利用してやり返したエピソードも興味深い。
 だが結局はイギリスによって押さえられてしまうのであった。
 国々の国境がハッキリしないことが多いのは、サハラ砂漠や熱帯雨林、入り乱れた民族分布の影響もさることながら、植民地の境界が歴史的な経緯を完全に無視して列強同士の都合で決められたせいもあるのだろうなぁ。
 国境の線一本すら数千年の歴史を物語るのだ。それが歴史地図の面白さといえる。

アフリカ大陸歴史地図 (大陸別世界歴史地図)
アフリカ大陸歴史地図 (大陸別世界歴史地図)
収録されているベルベル人のことわざに「戦勝は、いかなる大義名分も正当化する。」とあって「勝てば官軍」と完全に一致していることに笑った。
カテゴリ:歴史 | 11:55 | comments(0) | trackbacks(0)

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