<< 中国古典兵法書・呉子 尾崎秀樹 | main | 覇者の系譜1〜目醒めた若獅子 伊藤浩士 >>

中国古典兵法書・孫子 中谷孝雄

 訳文と書き下し文で簡潔にまとまった孫子。
 古典的な名著が少ない文字で書かれていることが分かる。それでいて世界の広がりは無限――なのは孫子を利用して展開された数々の戦例があるおかげなので、ややこしいが。

 訳文は名文を狙っている感じで結構癖がある。また、重地の意味の解釈など書き下し文にはない要素をそのまま取り込んでいる。まぁ、言葉だけでは意味不明なところもあるからなぁ。とりあえず名前を付けて整理しておけば分かった気持ちになってしまえる効果は恐ろしい。

 出てくる国の名前といえば越で、孫子が書かれた時期では楚や斉よりも越の脅威が重視されている印象だ。呉越同舟の成語は、あの二国より長くて血みどろの戦いを繰り広げた国がある気がするのだが――楚と宋とか――敵対する国家の代名詞的存在になってしまっていることに孫子の恐ろしさを感じる。

 あと、死地は恐ろしい場所ではない気がだんだんしてきた。孫子さえ知っていればまったく迷う必要がなくて、むしろ敵にとって恐ろしいことになるのでは?韓信の戦いでは事実そうなったなぁ。
 「軍は高きを好んで下きを悪み」で馬謖を思い出したが、他に色々いたっていない部分があることにも気づいてしまうのだった。まったくもって良い反面教師である。下手に自由に戦って失敗している将軍よりも、兵法を知っていて失敗している将軍の方が、反面教師になる気がするのはどうしてなのだろうな。

孫子 (中公文庫BIBLIO S)
孫子 (中公文庫BIBLIO S)
カテゴリ:ハウツー | 16:13 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 16:13 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック