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神変関ヶ原1〜秀頼夭折、秀吉狂乱 伊藤浩士

 秀頼がわずか五歳で肺炎にかかり夭折してしまう。秀吉も子供を三人も失ってしまった衝撃で、政務能力を失ったまま死んでいく。
 徳川家康という虎狼の前に残された豊臣家の未来は木下勝俊に託された!……誰?和歌や連歌が得意な六万五千石の小大名、実は高台院とも血縁のない人物の政権担当に呆気にとられてしまう。
 著者が和歌を趣味としているので、その趣味を全開にして木下勝俊に主役を持ってきたらしい。フィクションはそうでなくては。変な痛快さを覚える展開だった。

 徹底的な文化人である勝俊は家康に対抗して、彼なりの豊臣家を創っていく。強烈な家康の正反対をイメージすることで、お手軽に強力な人物像を作りにいっているところが興味深い。
 家康は自分の鏡と戦っているようなものだ。ちょっとした運の差で負けてしまいかねない。

 家康の人物像は、かなり悪役寄りで描かれているのだが、戦いの強さは本物であり、そこに魅力を覚えた。まるで数学の問題みたいに、福島正則が用意した難題をスラスラ解いてみせている。
 勝俊の方も見事な負けっぷりで、なかなか致命傷を食らわない。古風な格好もあって「スタイリッシュ二連敗」と呼びたくなった。佐和山城周辺の陣地に拠っての三度目の正直はあるかな。
 まずは上杉が乱入した関東戦線か。

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神変 関ヶ原〈1〉秀頼夭折、秀吉狂乱 (歴史群像新書)
神変 関ヶ原〈1〉秀頼夭折、秀吉狂乱 (歴史群像新書)
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:21 | comments(0) | trackbacks(0)

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