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戦国特攻隊「時間渡航計画」 吉本健二

 太平洋戦争末期。滅亡の瀬戸際にある大日本帝国を救うためにS特攻隊と呼ばれる連中が遙か過去に旅立つ。
 狙いは幕末だったのだが、たどり着いてしまったのは大阪冬の陣と夏の陣の間だった。豊臣家を勝たせるため戦車すら保有するが数百人と小勢にすぎない帝国軍人たちの戦いが幕を開ける。

 歴史群像新書らしい話だ。時間が渡れるならもっと未来から自分たちの時代を変えに来てくれとS特攻隊の南原少佐がボヤいていたが、そういう作品もたくさんあるから安心しろ!
 ただ、時間渡航の結果で変わった歴史は全く別のところに繋がってしまう様子なので意味があるんだかないんだか。送り出した連中の心の慰めにはあるのかな。
 その程度のことに数百人の命が使われてしまう状況が重い。
 そもそも歴史を変えるために生きる時代はちがえど同じ日本人を大量に殺してしまっているわけで、いろいろと考えさせられるところがあった。

 あと、真田信繁の人物の描き方がうまくて、抵抗があるのに感情移入をさせられてしまった。当時の彼は四十九歳のおっさんなのである!
 とばっちりで死んだ感じが半端じゃない秀忠が可哀想だった。政宗得意の味方撃ちは「もはや義務感からやった」んじゃないかと邪推。
 家康はからくも生き残って「未来」の展開に妄想の余地を大きく残す終わり方になっていた。

戦国特攻隊―時間渡航計画 (歴史群像新書)
戦国特攻隊―時間渡航計画 (歴史群像新書)
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