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図説 北京〜三〇〇〇年の悠久都市 村松伸・浅川敏

 古代に召公が燕に封じられてから、現代に資本主義の波が押し寄せるまで。北京の歴史を豊富な写真と、建築家の視点が濃い文章でつづった本。
 北京が中国の国土をみれば北に偏っている理由や、紫禁城にあらわれた中国人の空間思想などが説明されている。
 空間構成については、日本人の感覚にも通じる部分があり、興味深い。中国の都市を語る際に忘れられない「風水」についても多くの記述があった。深入りはしていないが。

 特徴的に感じられたのが近代における北京のどこか猥雑な姿がまざまざと描写されているところだ。猥雑からは程遠いはずのラストエンペラーの日記さえ、妙に生々しく感じられた。同じ写真に写っている弟の乗った象さんが気になって気になって気になって。
 戦中、北京に滞在していた竹内好の日記にいたっては、もはや淫猥で――著者がそう受け取らせようとしている印象もあるが――都市生活の負の息吹がよく表れている。

 毛沢東時代の無理矢理に「陽」の空気を醸し出そうとしている北京もそれはそれで、おどろおどろしいわけで、歴史的大都市に積み重なったものの重みを感じざるをえない。

図説 北京―3000年の悠久都市 (ふくろうの本)
図説 北京―3000年の悠久都市 (ふくろうの本)
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