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山師入門〜登山で見つけよう大地の宝 成谷俊明

 山師と聞けば胡散臭いイメージで一杯だが、そのイメージ通りに怪しい雰囲気を漂わせた鉱物採集ガイド。ただし、著者は山師ではなく山屋(登山家)を基礎にしている。本当の山師が書いた本も一度読んでみたいものだ。ダム屋(ダム関係の地質調査をする人)の本は読んだことがあるのだが。

 産地荒廃についても普通に触れており、場合によっては荒廃して採集禁止になるまでが、一連の流れに見えてくることすらあった。山梨県で産地を守るためのNPOが活動していることは知らなかった……もう行くところまで行くしかないんだな。不幸だ。
 ある集団の蛮行として、3、4人で一メートルの穴を掘って前進すると紹介していて、おののいた。組織的な砂金取りの感覚でやってしまうと、そんなことになっても不思議はない気もするが、欲望を前に自重を知らない連中がたくさんいる業界である。

 著者は自分の知識不足を重々承知しているのだが、最後の関東・東北地方の鉱山調査は読み応えがあった。幸か不幸か西日本の産地については記述がない――たぶん、幸の方だと思う。自分で産地を探す喜びがより多く残されている意味でも。
 ただもう、今暴れている連中が引退するまで、ひとつでも多くの産地が採集可能な状態で生き残ることを願うのみだ。

 まさか「カタクラ鉱物探検隊」の名前を本で読むとは思わなかった。発表する側の責任感からみても、WEBと本の境界がどんどん怪しくなっているなぁ。

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山師入門―登山で見つけよう大地の宝
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カテゴリ:地学 | 20:09 | comments(0) | trackbacks(0)

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