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覇王 独眼龍政宗1〜転輪聖王誕生 沢田黒蔵

 遅ればせながら奥州で勢力を伸ばそうとする伊達政宗のふところに転がり込んできた連歌師、光弦。彼こそは信長を滅ぼした明智光秀その人なのであった。思えば名前に「光」が入っているな。わかりやすい奴だ。
 光弦の勧めにしたがって政宗は、北条や徳川と結び、箱根に大城塞を築いて豊臣軍を迎え撃つ壮大な計略を巡らせる。実に政宗らしい傾奇に満ちた動きだと感じた。

 箱根を城に見立てるのは、新しい考えのようでいて、鎌倉の発想に近いものを感じたが……温故知新って奴かな。
 一度箱根を観光したことがあるので、地形を思い出しながら読むのが、なかなか楽しかった。政宗の地元である福島については、そうも行かないが、そのおかげで新鮮ではある。海岸と内陸では別の地域であるという感覚は地図などを見ていて、何となく把握できた。

 あと、人物描写が巧みで、それぞれ魅力的に描かれていた。方言も上手に使いこなしている。
 中でもやっぱりみんなのアイドル、大内定綱ちゃんが気になる。汚い字で本や手紙を一生懸命書いている姿を想像すると萌えてしまう。労作を奪い取った政宗は恨まれて当然かと――後で特使に選んではいるのだから逆恨みっぽいのも事実。
 さて、定綱ちゃんはうまく戦国時代を泳ぎわたり、生涯をまっとうすることが出来るのか。精一杯応援せざるを得ない。

 あとがきで著者の営業職時代の経験談が語られていて、武将や第二次世界大戦の記録を精神安定剤にしていたことが興味深かった。生き馬の目を抜く仕事だなぁ。

覇王 独眼龍政宗〈1〉転輪聖王誕生 (歴史群像新書)
覇王 独眼龍政宗〈1〉転輪聖王誕生 (歴史群像新書)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 21:33 | comments(0) | trackbacks(0)

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