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図説 中国文明史2〜殷周 文明の原点

 中国発の中国歴史図説本の一冊。春秋戦国時代より前の殷周時代を対象にしている。
 一級の歴史史料がこれでもかと載せられており、遙か昔に作られた逸品たちに唸らされた。
 日本の歴史本と違って戦争に関連する記述が詳細なところも印象的だった。殷代では戦車5乗に随伴する歩兵は15人(つまり1乗に5人)としており、後代の戦車1乗に歩兵75人(楚の場合は150人)より歩兵が極端に少ない印象を受けた。
 本当に戦車戦に徹して、歩兵が落ち穂拾いに集中するなら、ありえるのかな。

 殷武丁の正妻にして元帥である婦好の名前が出ていて、まるで小説の登場人物みたいな彼女の実績に驚いた。時代が滅亡期だったら、ほめそやされるどころか、妖女扱いだったかもしれないな……。そういえば妹喜も武芸をよくしたんだっけ。


 周代では諸侯国の解説が凄い。日本では無名(で漢字がデータにない)国が一章を割いて紹介されている。
 特に鄭とならんで周王朝を支えていた「かく(ごうとも言ったはず)」国が興味深かった。出土品からは礼制に厳格だったがために改革が行えず、時流に乗れなかった感じがするのだが、孔子の意見を聞きたいところだ。
 出土品の作り方も説明されているものが多くて読んでいて楽しかった。

 いまでも新発見をともなう発掘が行われており、金文や甲骨文などの発見もある現地の研究事情も紹介されている。今後に期待だ。
 文明の古さを誇っているところが端々にみえて引っかかるときもあったが、まぁ愛嬌と思って先立つ文明に学びたい。

図説 中国文明史〈2〉殷周―文明の原点
図説 中国文明史〈2〉殷周―文明の原点
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