四方世界の王1〜総体という名の60 定金伸治・記伊孝
2014.01.20 Monday | by sanasen
人の心が暗闇からやっと抜け出した遙か昔、古代メソポタミアを舞台に繰り広げられる冒険譚。書記を目指して神殿に併設された学校に通う少年、ナムル・ナーシルは不思議な少女シャズ・フラシュムと出会い、彼女の邪悪な陰謀に巻き込まれていく。
世界最古の”書かれた”文学作品は、書記の学校に通う少年のものだと言われるが、その由緒正しい道筋に則ってボーイミーツガールの王道を展開している。
ただし、登場人物の性格は古代メソポタミア人であることを差し引いてもエキセントリック。ねじの飛んだ言動で読者をハラハラさせてくれる。
ナムルの物の見方は変わっていて、空中から自分を見下ろすように、周囲を捉えている。それがプラスに働くことが多いのだが、シャズの事になると冷静さを失ってしまうのだった。
肝が据わっているように見える彼への周囲の評価がおもしろい。
まだ製鉄技術が発見されていないほど古代の描写については、ナムルの同僚による豊富な資料があるおかげもあって、具体的に描かれており興味深い。
教師への賄賂が行われていたなどの豆知識にはニヤリとした。言葉遣いで相手の出身地を見抜いたシーンにはビックリだ。
記伊孝先生のイラストも古代メソポタミアの空気にあっていて想像の枠を広げてくれた。まぁ、漫画で先に知っているので、どうしてもそっちのイメージに引きずられるのだが。
ラガマール一門とイシュタル一門の抗争は漫画と違う展開をみせており――というか漫画が原作と違う展開をみせているのだが――スパイに関する兵法の用語なども出てきて楽しめた。
あと、四次元幾何学の知識もあったな。
漫画版感想
四方世界の王1巻 定金信治・雨音たかし
四方世界の王 1 総体という名の60(シュシュ) (講談社BOX)
世界最古の”書かれた”文学作品は、書記の学校に通う少年のものだと言われるが、その由緒正しい道筋に則ってボーイミーツガールの王道を展開している。
ただし、登場人物の性格は古代メソポタミア人であることを差し引いてもエキセントリック。ねじの飛んだ言動で読者をハラハラさせてくれる。
ナムルの物の見方は変わっていて、空中から自分を見下ろすように、周囲を捉えている。それがプラスに働くことが多いのだが、シャズの事になると冷静さを失ってしまうのだった。
肝が据わっているように見える彼への周囲の評価がおもしろい。
まだ製鉄技術が発見されていないほど古代の描写については、ナムルの同僚による豊富な資料があるおかげもあって、具体的に描かれており興味深い。
教師への賄賂が行われていたなどの豆知識にはニヤリとした。言葉遣いで相手の出身地を見抜いたシーンにはビックリだ。
記伊孝先生のイラストも古代メソポタミアの空気にあっていて想像の枠を広げてくれた。まぁ、漫画で先に知っているので、どうしてもそっちのイメージに引きずられるのだが。
ラガマール一門とイシュタル一門の抗争は漫画と違う展開をみせており――というか漫画が原作と違う展開をみせているのだが――スパイに関する兵法の用語なども出てきて楽しめた。
あと、四次元幾何学の知識もあったな。
漫画版感想
四方世界の王1巻 定金信治・雨音たかし
四方世界の王 1 総体という名の60(シュシュ) (講談社BOX)