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興亡の世界史00〜人類文明の黎明と暮れ方 青柳正規

 先史時代から古代ローマ時代までの文明を概観し、何らかの法則を求めたりする興亡の世界史シリーズ先頭の一冊。
 遺跡調査の経験がすばらしく豊富な著者によれば、文明は発展と同じ原因で衰退する傾向にあるらしい。成功体験は、失敗の元。変化することが出来なくなった時点で「変化させた力」は内側に向かって我が身を滅ぼすことになる。
 まぁ、一度も絶頂を経験しないよりは良いかな……などと投げやりに考えないでもない。
 それに、強みとされるものが複数あっても、そのうち一つが弱みになれば、著者のような見方が出来る。どうしても後付け風に原因を見つけることしかできないのではないか。そんな懸念も浮かんだ。
 変化し続けることが強みだった場合はどうなのかな?適合しない異物まで取り込んで自滅する日が来るのかも……。

 文明各論については、幅広くかつ最新成果を紹介してくれている。日本の縄文時代も世界の古代文明と比較する中で描かれており、視点が興味深い。
 農業を始めれば良いというものではない時代が長らくあったのだ。
 いわゆる四大文明やギリシア・ローマ文明はお約束だが、インカ帝国の前にあったアンデス文明の事例紹介が興味深かった。標高と降水量、農業の関係がずいぶん特殊である。
 そして、発祥が古い故に典型と感じられるメソポタミアやエジプトの文明も、全体の中でみればやはり特殊なのだと、著者が主張したことが何となく分かった。
 何らかの特異な原因で文明は発生するので、特殊でない文明があったらそれはそれで特殊ということになりそうだ。

 文化と文明の違いに関する話も興味深い。文化は別の知的生命体の間に受け継がれないが、文明はそれがありえるとも解釈できるかな。

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人類文明の黎明と暮れ方 (興亡の世界史)
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