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覇王 独眼竜政宗3〜箱根大決戦 沢田黒蔵

 箱根の外輪山を城壁に見立てて秀吉の東征軍を迎撃する伊達・北条連合軍。すさまじいまでの大風呂敷を広げた戦いが展開される。ぶっちゃけトイレの処理が悲惨なことになっていたと思うぞ。登山客の排泄物だけでも苦労しているっていうのに、50万とかの人数が展開されてしまっては箱根のカルデラがうんこで埋まる。
 まぁ、水洗式だったから大丈夫か。増水した芦ノ湖をとことん使い尽くした作戦には度肝を抜かれた。これほどの虐殺は史上に類を見ない。核兵器を使用したのと変わらない数が死んでいるわけで、政宗が自分を神と思っても不思議はないところがある。作戦を考えたのは明智光秀だけどな。

 秀吉側としては芦ノ湖に浮かべる舟をたくさん準備するべきだった。彼の兵站能力なら可能であるのに、水上交通権を敵に独占させてしまったのは大きな失敗だ。
 あと、秀次に大きな仕事を任せたことが全面的に悪い!もっとまともな指揮官はいなかったのか――秀長が病気でなければともかく、一族の少ない秀吉の弱点が現れたといえる。

 福島正則の描かれ方が酷く、完全な猪武者だった。最上義光も徹底的な悪人である……せめてシスコンは貫け。
 その辺りは不満だったが、文章表現が非常に優れていて、長柄同士の戦いに関するシーンなどひどく感心させられた。決壊作戦も高い文章技術があってこそ。大きな虚構を組み立てるのに必要なものが分かる。

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覇王独眼龍政宗3 (歴史群像新書)
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