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皇国の覇戦〜戦艦大和、咆哮! 林譲治

 架空戦記タイトルジェネレーターから生まれたようなタイトルにいっそ清々しい思いを抱いた。タイトルが被ってしまっても、他の創作物でもよくあることなのだから、まったく問題ない。そんな気すらしてきた。

 内容は航空主兵主義の中で戦艦を使いこなすために、防空専門の空母を組ませるというもの。鳳翔と組んだ大和は開戦劈頭から大活躍して、プリンス・オブ・ウェールズやハーミズの撃沈に功績をあげる。まぁ、水雷戦隊の活躍もあったので、大和だけの働きとは言い難いが、史実に比べればとてつもない戦果だ。一時的にインド洋まで進出したことも感慨深い。

 そのままウォースパイト化するかに思われた大和だが、砲身命数が切れて整備に突入する。
 代わりに航空巡洋艦と化した最上や鳳翔の戦訓で生まれた防空艦――戦闘機専門の空母が活躍をはじめる。まとまれば、そこそこの数が搭載できる防空艦はともかく、12機しか零戦の搭載できない最上がヨークタウンの航空隊を半壊させるのはやりすぎだ……徹底的な戦力の逐次投入を犯したフレッチャー提督に同情する。
 そもそも開戦直後のアメリカの空母運用構想には制空隊の存在がうまく位置づけられていなかったはず。齟齬の原因をフレッチャー提督に帰するのはアンフェアだ。
 やっぱりPoWと沈んだフィリップス提督ともども運のない扱いをされやすい海将である……。あまり名前を聞かないフィッチ少将がレキシントンを率いて、いろいろやっている点も興味深い。
 フレッチャーの柔軟に指揮をまかせる姿勢はミッドウェーと同じだが、はたしてフィッチ少将はスプルーアンス提督なみの仕事をこなせるのか!?

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皇国の覇戦 戦艦大和、咆哮! (RYU NOVELS)
皇国の覇戦 戦艦大和、咆哮! (RYU NOVELS)
カテゴリ:架空戦記小説 | 23:15 | comments(0) | trackbacks(0)

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