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アイヌの世界 瀬川拓郎

 2011年までの研究成果によって説明されるダイナミックなアイヌの世界。大和朝廷から蝦夷と呼ばれていた集団が、むしろ倭人の系統であって、アイヌは孤立した言語をもっているとする説明が新鮮だった。知っている人には基礎知識なのだろうけど。
 周辺情報だが琉球語が、古日本語の流れを汲む言葉である点も知ることができて良かった。縄文人の血は残っていても、言葉は残っていないらしい。

 またオホーツク人を絡めた三者関係も阿倍比羅夫を主人公として描かれている。和人よりもオホーツク人の方がアイヌ人にとって異質であったことが、交流の様子から分かるらしい。奥尻島の墓で発見された大きな翡翠から埋葬者を推定したのは事実だと分かれば、かなり劇的なことだ。
 阿倍比羅夫関係ではカルタゴ人も行ったという沈黙交易の記述が日本の歴史にもあることが分かって、衝撃を受けた。
 アイヌの側から環オホーツク地域に打って出ていった時代もあったようで、決して彼らが固定された状態で日本の北にあり続けたわけではないようだ。
 とはいえ明治時代の北海道におけるアイヌ人口は2万人だったそうで、行動半径だけに目を奪われるとスケールを見誤る。旭川のエコシステムについて、続縄文人時代の土地利用と低位面の土地利用を両方行えば、もっと多くの人口を養えたはずと考えてしまうのは、やっぱりアイヌ人的には異質なんだろうな……。

アイヌの世界 (講談社選書メチエ)
アイヌの世界 (講談社選書メチエ)
カテゴリ:架空戦記小説 | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0)

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