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真田勇軍記3〜最期の武略 伊藤浩士

 ……誰やねん!いつもの和歌和歌人事であると和歌ってはいるが、ついつい突っ込んでしまった。古今伝授を受けた人ですものね、作者的には天下人の資格がありますよね。そう考え始めると細川家に妙に冷淡な感じがする。
 清正が倒れる急展開から宮様の担ぎ出しにはびっくりしたが――考えてみれば鎌倉幕府的だな――時計の針を一気に進めての明治維新成功には膝を打って笑ってしまった。
 まさか最終決戦が鳥羽伏見の戦いとはね……そういえば、あれは京都の防衛に成功した希有な例なのであった。藤堂高虎が裏切ったのも史実での藤堂家のふるまいを考えれば仕方がない。
 積極的に裏切ったことのない高虎への扱いとして酷いと思ったけれど、笑って認めてやるしかない。
 土壇場で大政奉還を編み出した本多正信は見事だった。この作者の本多正信はわりと扱いがいい気がする。そして、真田は主人公にされながらも極端に好かれてはいない感じがする。おかげでバランスが取れている。

 あと、坂崎直盛がかなり美味しいところを持って行った。戦況図に何故か名前が書き込まれているのを見たときは呵々大笑した。なんでお前はそこにいるのかと。
 でも、彼のせいで起こった安藤直次の討ち死には、ちょっと残念だった。徳川の人材は不遇だ……現実で厚遇だから我慢してくれとしか言えない。

 個人的には三人の勘兵衛による越前攻略がもっとも面白かった。1000人ちょっとの元手からトントン拍子で一国の主に。三人で相談して決めるところがMAGIシステムっぽい。

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真田勇軍記〈3〉最期の武略 (歴史群像新書)
真田勇軍記〈3〉最期の武略 (歴史群像新書)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 23:40 | comments(0) | trackbacks(0)

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