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忘れられた王国〜グレートジンバブエ遺跡〜 ナショナルジオグラフィックDVD

 サラハ以南のアフリカに存在する巨大な遺跡グレートジンバブエ。聖書に登場するジェバの女王に関連すると第一発見者に主張された遺跡を巡るアフリカ探検時代の物語。
 ドイツ人探検家のマウフは、貧しさに苦しみながらアフリカの奥地に到達した立派な男だったが、専門教育を受けていなかったことが災いして間違った結論を出してしまう。
 そして、信じたいことしか信じない人々に彼の説は人気を博してしまうのだった。シェリーマンがイーリアスから遺跡を発見してしまったばかりに、シェリーマン症候群にかかった人間が暴走した印象を受ける。
 思いこみを廃して目の前のある物を冷静に観察することの難しさを感じた。

 それを成し遂げたのが女性の考古学者として先駆的な存在だったイギリス人女性のトンプソンだ。第一次世界大戦で恋人を失った彼女は、フランスで先史時代の発掘に関わったことを皮切りに考古学にのめり込み、エジプトで成果をあげる。
 ついに招かれたローデシアでジンバブエがアフリカ人の都市であったことを突き止めるのだが、抵抗はすさまじいものなのだった。自分の信じる結果を求めるなら、考古学者じゃなくて小説家を呼ばなきゃね……トンプソンの言うとおり愚かな人々だ。
 話の最後にグレートジンバブエが印刷されたジンバブエドルが出てきて、非常に複雑な気分になった。ムガベェ・・・。

 二人の考古学者に焦点が合っているので、グレートジンバブエそのものの紹介は意外と少なくて物足りなかった。12世紀で人口が1万〜1万5千の大都市と言われても、それもヨーロッパ基準なんだよなぁ。中国とまったく比較しないのは如何なものか。
 歩くシーンが何度も撮られていたが、壁と壁の間が一人が通れる程度の広さしかないことも気になった。防御を考えての構造で、周辺には城壁を崩せる武器をもった勢力はいなかった証拠なのだろうか。
 発見と研究の経緯は分かったが、遺跡そのものへの疑問が新しく湧いてきて解消できない。そんな映像資料だった。

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