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土の城指南 西股総生

 戦国期の城郭研究家である著者による土の城のディープな楽しみ方指南。アマチュアから在野の研究家(単純には食えないのでプロではない)になる道筋も示されている。
 調査行動には地質調査や鉱物採集に通じるところがあって妙な親しみを覚えた。活動に適した時期も(雪が降らない地方なら)晩秋から早春にかけてと似ている。フィールド調査とはそういうものか。

 縄張り図の描き方について説明されているようでいて、実は読み方しか説明されていないところがある。部分部分は参考になることが書いてあるが、実際の所は自分で描いてみてベテランに評価してもらうしかないらしい。
 城郭の痕跡と見間違えやすい構造物がいろいろ紹介されていて、人が昔から山で活動していることが感じられた。著者のフィールドは関東地方周辺なので、地方によっては本書に載っていない紛らわしい地形もあるかもしれない。
 縄張り図について、土塁などの傾斜を測定して描き込むことはできないのだろうかと、地層の傾斜を測る感覚で疑問に思った。おそらく浸食で丸みを帯びてしまっていて、参考情報以上にはなりえないのだろうな。石垣であっても扇の勾配を取られると角度測定のしようがない。

 いろいろと内容が深く、通説をひっくり返すことも書いてあるので、興味深く読めた。観音寺城の領主の館よりも家臣の館のほうが高いところにあるから、六角氏の大名権力はうんぬんって記事が著者も監修に参加している歴史群像であったけれど、著者の考えからは噴飯物だったのだろうなぁ。

関連書評
戦国の堅城〜築城から読み解く戦略と戦術
歴群図解マスター 城 香川元太郎

土の城指南
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