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石槍革命〜八風山遺跡群 須藤隆司

 ガラス質黒色安山岩が3万2千年前から石器に加工されていた八風山遺跡群を起点にして、日本の石器時代における石槍の進化と、社会の発展を描く。

 石器製作工程の復元に、石の立体パズルが行われているが、想像するだけでも気が遠くなってくる根気のいる作業だ。
 土器と違って完全に接着することが許されず、水で濡らせば溶ける糊で接着していて大変だったと書かれているのを読んで気が狂いそうになった。
 作業中で保存していなかったパソコンが停止したときみたいに、組立中の石片が崩壊したことが何度もあるんだろうな……。

 それだけ苦労して得られた情報であるから、複数の制作者の間で石がやりとりされていたという分析結果が興味深い。完成品は作った本人が使うことはまずなくて、頻繁にやりとりされていたらしい。
 現在に残る狩猟採集民の例から理論が展開されているのをみると、彼らの生活を守ることは、自分たちのルーツを探る上でも価値のあることだと再確認できる。

 遺跡を学ぶシリーズには珍しく一つの遺跡に集中せず、中部と関東に大きく風呂敷を広げた内容だった。おかげで石槍の発展の流れは頭に入ったが、八風山遺跡の様子はあまり記憶に残らなかった。忘れられないのは浅間山の分厚い火山灰の下に埋もれていたってことかな。

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石槍革命―八風山遺跡群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
石槍革命―八風山遺跡群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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