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ビジュアル版 旧石器時代ガイドブック 堤隆

 旧石器時代は日本でもっとも長かった時代。江戸時代は言うに及ばず縄文時代よりも長い。そんな掴みから旧石器人について分かっていることが紹介される。
 縄文人よりも情報がかなり少ない。時代は長くても、それだけ古くて、遺物が残りにくいということだ。土器もなければ、家も粗末で痕跡を追いにくい。
 旧石器時代の研究者は大変だ。しかも、捏造事件の衝撃が残っている――最後で事件のことが紹介されていたが、犯人の名前は忌名のごとく扱われているのか、出てこなかった。研究者としての逆名声が確立される意味でも名前を挙げておいた方が、抑止力になるんじゃないかな。

 遺跡発掘のアルバイトはおもしろい土器がでる縄文時代の遺跡は好むけれど、石の破片ばかりが出てくる旧石器時代は人気がないという話もおもしろかった。
 でも、鉱山遺跡だと縄文時代でも石の欠片ばかりだったりするよなぁ。小さな作業の積み重ねが日本人のルーツに迫る大きな発見につながる意味では最も考古学らしい対象だと開き直って考えてみよう。

 本書の構成は、まず2ページを説明文にして、次の2ページはそれに関連する図を見開きで示す形になっている。シリーズの文章と図が混在する構成とはちょっと違う。
 おかげでたくさんの石器などの例をみることができたし、ページが少ない割に遺跡間の移動の図など細かい部分の情報にも触れることができたように感じた。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

ビジュアル版 旧石器時代ガイドブック (シリーズ「遺跡を学ぶ」別冊)
ビジュアル版 旧石器時代ガイドブック (シリーズ「遺跡を学ぶ」別冊)
確証の低い想像イラストをわざわざ表紙に持ってくるとは……
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