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東京下町に眠る戦国の城〜葛西城 谷口榮

 東京の下町に高速道路に思いっきり縦断された城があった。戦国時代の関東において係争の地となった葛西城である。
 しかも、葛西城は古河公方を北条氏が招いた城であったという。

 意外なところに意外な大物がある。他の本と似て、一気呵成におこなわれた発掘調査を熱心に整理した一冊だ。
 両上杉氏と古河公方の勢力が対立している地図が好きなのだが非常に残念なことに、キャプションが間違っていて両方が両上杉氏と記載されていた。ああー。

 城から出土した物は多様で、日常生活を十分に感じさせるものだった。
 やはり水上交通の存在価値は大きかったらしい。東西の陸路と同時に、江戸湾に入ってくる水路にも関わる葛西城の立地が出土品に影響していると感じられた。
 そういえば、東京の地名にある「戸」は「津」が変化したものであり、江戸もそのまま江の津という意味らしい。そういわれると、いきなりロンドンやニューヨークに似た都市に見えてくる。

 家康がくる前から関東が時間をかけて発達していたことも、ちゃんと説明されていた。徳川家の宣伝工作が効き過ぎているなぁ……あんなに立派な平野を土地に飢えた民族が放っておくわけがない!
 葛西城を通じて知られざる関東の歴史を知ることができて良かった。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

東京下町に眠る戦国の城・葛西城 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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