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律令体制を支えた地方官衙〜弥勒寺遺跡群 田中弘志

 壬申の乱で活躍した美濃の豪族ムゲツ氏。彼らが郡を治めるために築き上げた弥勒寺遺跡群から律令体制の全国への広がりがみえてくる。
 なんというかモデル都市みたいである。天皇とのつながりもあって、特別な期待を掛けられた建築だったことは想像できるが、それにしても非常に整然としている。
 そして、長い間存続できている。中央の周辺に位置する豪族として、ムゲツ氏の判断が優れていたことが感じられる。

 正倉院文書にある美濃の戸籍から、正八位上、従七位下の身分をもった農民が見つかっており、大海人皇子の下で戦って功績をあげたことが想像できるという掴みの話がおもしろかった。
 ただ、内容はなかなか広がりをみせずに、弥勒寺遺跡群の発掘調査記録に集中する期間が長かった。
 これはこれで興味深いが、あまり最初に風呂敷を広げられてしまうと、意識が目の前の内容ではなく、そっちに傾いてしまう。

 発掘調査の地図をみるほどに、官衙の立地条件がおもしろいと感じる。長良川は外敵に対する盾になると同時に、物流の幹線道路にもなっている。
 いい場所をみつけて官衙を築いたものである。

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律令体制を支えた地方官衙・弥勒寺遺跡群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」 46)
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