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古墳時代のシンボル〜仁徳陵古墳 一瀬和夫

 宮内庁のベールに覆われた仁徳陵古墳。過去の記憶やボストン美術館の出土品とされる所蔵品、そして宮内庁の調査報告書から分かることを活用して考察がなされている。

 目の前に仁徳陵古墳があるのに、どうしてこんなに手足を縛られた状態で考察をしなければならないのか。非常に歯がゆい。
 そして、石室の中にあったという鉄製品の状態が大変に心配である。最悪、公表はしなくてもいいから、きちんと保存しておいてほしいなぁ。そもそも木を生やしていることが保存のためにはよくない。
 昔は緑の中に白い仁徳陵古墳があったのが、今は建物の白の中に仁徳陵古墳があるという著者の指摘する変化がおもしろい。
 明治時代では暑いので堀の中を泳いで仁徳陵古墳に登って、守夫に怒られたというほのぼの記事にも笑った。明治の方が昭和よりもおおらかだったようで、ちょっと回帰してくれれば助かるのだが。

 情報が狭いおかげで内容は深く行くところがあって、興味深かった。鉄製品の製作者集団が変わらないまま、製作する鎧のバージョンを更新していったことが気になる。なかなか柔軟だ。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

古墳時代のシンボル―仁徳陵古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
古墳時代のシンボル―仁徳陵古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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