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遠の朝廷〜太宰府 杉原敏之

 西海道支配の中心として造られた太宰府。その大規模で複合的な遺跡の姿を限られた紙面で描いた一冊。
 それぞれで別の本にできるほど情報が多い遺跡なので、まとめるのに苦労している印象を受ける。
 軍事施設としての太宰府周辺について、けっこう詳しく説明されているのが良かった。

 水城の外濠には未だに解けない謎があるようで……水を止めるために堤を連続で造ったら、そこが攻め込まれるときの弱点になってしまいそう。
 そこまでして水を張るよりも、空堀にした方が防御力が高いのでは?施設の維持コストにも関わる問題なのかなぁ。

 百済の首都と、太宰府の間に防御機構の共通点がみられるのも面白かった。しかし、一度失敗した方法で守ろうとしていたとも言えるわけで、効果としてはどうだったのやら。実際に戦いが起こっていないので何とも言えないな。
 少なくとも百済からの渡来人の方が実戦経験が豊富だったのは事実だ。

 太宰府では今でも発掘が行われ、新事実が明らかになっている。これからも新鮮な歴史的視点を提供してほしいものだ。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

遠の朝廷・大宰府 (シリーズ「遺跡を学ぶ」076)
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