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中世瀬戸内の港町〜草戸千軒町遺跡 鈴木康之

 福山市の芦戸川の中州から発見された中世の港町、草戸千軒町遺跡。伝説的には一度の洪水で滅んだとされる中世ににぎわいをみせた町の実像に迫る。
 河川整備で中州が削られてしまって、完全に失われた部分があることが残念である。まぁ、記録保存されている遺跡は、このシリーズには珍しくないのだが……。

 時代が比較的に新しいだけに木材の遺物が多いと思っていたら、主な原因は立地のおかげで水によって空気から守られていたことらしい。そういえば、もっと古い遺跡でも地下水のあるところなら木材が残っている場合があったなぁ。
 東京の城の話で、戸は津に通じると言われていたが、草「戸」千軒町でも、同じことが名前の変遷からも理解することができた。昔の人は字が読めない人も多いから、漢字の感覚がけっこういい加減だったのね。

 その反面で地方の商人たちが文字を使いこなし、京都発祥の先進的文化に接触していたことも、草戸千軒町遺跡は教えてくれる。たしかに農業中心の中世観から脱却するのに大きな存在である。

 ところで水野勝成のおかげで福山がなにもない場所から栄えたとする宣伝工作は、いとこが江戸でやった宣伝工作とまったく同じですね……三河武士はワンパターンだなぁ。

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中世瀬戸内の港町・草戸千軒町遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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