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北の縄文人の祭儀場〜キウス周堤墓群 大谷敏三

 新千歳空港から車で30分の位置にある縄文時代の巨大な墓地の跡地。それがキウス周堤墓群である。
 縄文時代には大規模な土木工事は不可能であるという「定説」を覆した遺跡で、もっとも大きなものは200人が周りを取り囲んで写真にうつれるくらいのサイズがある。
 ……あんな写真を撮る意味はいまいち不明だが、大きな木の写真と同じようなイメージでみればいいのだろう。発掘に従事した人たちの記念撮影的な面もあるのだろうな。

 著者は縄文時代の円形遺跡や他の周堤墓について、次々と紹介していく。そして、キウス周堤墓群に戻ってきたときには、あまり紙数が残っていなかった。
 他の遺跡を紹介した流れも、考察に深くコミットしているとは、いまいち感じられず、遺跡を学ぶシリーズにしては物足りないところがあった。
 大風呂敷を広げなくても狭く深く掘りまくってくれれば「らしさ」があるのだけどなぁ。ちゃんと読めていないだけだったら、もうしわけない。

 共同墓地の形ながら大型遺跡の造営を可能にした当時の現地社会がどんな状況にあったのかは興味深い。なかば本能というか習慣的で、時間もたっぷり使ったからこそ、大きな遺跡をのこせたと考えるには、埋葬されている人数が問題になるってくるか。
 やはり、ある程度のリーダーシップは発揮されていたのだろうな。

 出土したヒスイが綺麗。新潟の糸魚川産というから交易網の広さにあらためて驚く。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

北の縄文人の祭儀場・キウス周堤墓群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」074)
北の縄文人の祭儀場・キウス周堤墓群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」074)
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