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藤原仲麻呂がつくった壮麗な国庁〜近江国府 平井美典

 規模が大きすぎて全容の把握が大変。瀬田川の東に大きく広がる近江国庁は、大量の建物が礎石瓦葺で建てられた野心的な施設群だった。
 現在も断続的に続く発掘調査によって現れる国府の姿は、かつて予想されていたように都のミニチュア版ではなく、独特の形式をもっていたが、近江国府はさらに独特で唐に起源があるのではないかと著者は指摘する。

 さすがに出る杭は打たれるというか、道鏡との政治闘争の果てに仲麻呂は乱を起こすことになって滅ぼされる。
 追討軍が二度までも先回りして、仲麻呂に絶望を突きつけていることが記憶に残った。道の集まる場所は迂回もされやすい?湖の上を移動することは考えられなかったのかなぁ。

 発掘に関するエピソードで、著者が重機をつかって表土を取り除いていたら県庁に不届きものがいると電話が掛かったというのが微笑ましかった。告知不足、かな?
 当初の宅地造成で遺跡が破壊されまくっていた状況からの変化が喜ばしい。いや、最初から憂えている人は憂えていたか。

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藤原仲麻呂がつくった壮麗な国庁・近江国府 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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