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縄文文化のはじまり〜上黒岩岩陰遺跡 小林謙一

 愛媛県でみつかった岩陰に存在する縄文時代の遺跡。それは縄文時代草創期の風景を今に伝えるタイムカプセルだった。
 個人の敷地にあって、所有者に発見されている経緯がなんだか凄い。もっと下に掘れば、さらに出土品がありそうなのだが、手つかずのまま残っているらしい。
 自分が土地所有者だったら、気になって気になって気になって。まぁ、手をつけずにプロに任せるのが正解だよね。

 表紙は女性と思われる線刻が施された礫であるが、著者の関心はどちらかと言えば縄文草創期の土器に向いている。
 個人的にも、古い時代の土器には獣毛や植物繊維が混ぜられて、強化されていたという話がおもしろかった。時代が下ると、製作技術の進歩によって繊維は必要ではなくなるらしい。

 また、比較対象として慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス内の遺跡がたびたび話題にのぼるのだが、略して「SFC」であることが妙に印象に残ってしまった。
 縄文時代の初期を求める行為は、縄文時代を定義する行為と切り離せず、いろいろな考え方があることも分かった。縄文が施されていないタイプの土器でも出現した時点で「縄文時代」になってしまうことが、ちょっと引っかかる。
 もういっそ土器時代でもいいような……。

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