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松島湾の縄文カレンダー〜里浜貝塚 会田容弘

 日本三景に数えられる宮城県の松島で、最大の島、宮戸島。そこで発見された里浜貝塚からは縄文カレンダーを復元できるほど豊富な史料がえられた。
 気の遠くなるような細かい作業の連続によって見えてきた縄文人の生活とは。

 高級魚も食べていれば、製塩土器を使って塩を作り、内陸部との交易に役立ててもいる。冬には漁でイノシシやシカを採る。植物資源としてはクリやトチを利用している。トチはアク抜きがいるが、寒さに強く、寒冷化時にはクリの代わりとして活用されたようだ。
 質的には豊かな生活が見えてくる感覚があるが、量的に栄養が足りていたのかは判断が難しい。あと、潜水漁師に特有の病状の痕跡が骨から見つかっているのは気になる。

 表紙にもなっている鹿の角を加工した腰飾りが美しく、作った人間の心が垣間見えた気分になった。
 鹿の落角が内陸からえられる資源として重要だったらしいことが面白い。これも骨類が残る貝塚だからこそ得られた研究成果といえる。
 エイの棘尾骨を使った銛は他の貝塚でも出土していたなぁ。妙に印象に残る。

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松島湾の縄文カレンダー・里浜貝塚 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
松島湾の縄文カレンダー・里浜貝塚 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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