<< 新しい旧石器研究の出発点〜野川遺跡 小田静夫 | main | 日本考古学の原点〜大森貝塚 加藤緑 >>

武蔵野に残る旧石器人の足跡〜砂川遺跡 野口淳

 ごぼう畑から見つかったナイフ型の石器。その丹念な発掘調査によって明らかにされた旧石器人の日常的な行動を追う。
 接合された石からなる表紙の写真に「創造」を感じた。手を感じさせる形状が連想につながっている。そして、石を通して石器を作った旧石器人の手を感じる。

 砂川遺跡からわかった旧石器人の行動についてはシリーズの他の本で読んだことを更に懇切丁寧に説明された感覚だった(読む順番にもよるのだろうが)。
 大事な石器が皆無にならないように計画的に石材を消費していた旧石器人の行動は「個性」に左右されなかったのだろうか。みんな平均的に賢いなぁ……意味を考えずに慣例的にやっていたのかもしれないが、それこそ明らかにすることが難しい。

 武蔵野台地に立地した砂川遺跡の地理的な特徴も興味深かった。地形と人間の関わりはやはり深い。
 扇状地の利用のされかたには歴史的な連続性があるようで。
 水が乏しい土地ゆえに生まれた言い伝えの「所沢の火事は土で消す」や「所沢には嫁をやるな」には涙ながらに同情した。どこかで聞いた話だ。
 代わりに水害には強いと思いたい。でも砂地だから地震災害には微妙かも。野水のあるあたりは特に危険だな。

関連書評
新しい旧石器研究の出発点〜野川遺跡 小田静夫 :相補的な一冊

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

武蔵野に残る旧石器人の足跡・砂川遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
武蔵野に残る旧石器人の足跡・砂川遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
カテゴリ:歴史 | 10:05 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 10:05 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/2252
トラックバック