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聖なる水の祀りと古代王権〜天白磐座遺跡 辰巳和弘

 静岡県の西のはて、愛知県新城市と接する引佐郡(現在は浜松市)で発見された川岸に位置する巨大な磐座をまつった遺跡。
 古代から連綿と続き、部分的には現代にも受け継がれる――井伊氏が存続しているから――歴史の流れが一瞬とどまっている姿をそこに垣間見ることができる。

 井伊氏の誕生伝説を紹介した後に三ツ寺軌篝廚力辰鮖呂瓩燭里如∪鏐饂代と古墳時代では時代があわないのではないかと思ったのだが、最終的には井伊氏は古墳時代から続く家だとまとめられた。伝説上の起源は平安時代にあるらしい。
 海のものとも山のものとも分からない松平氏に比べて、なんと由緒正しいことか。

 著者はけっこう走る傾向があったものの、水をあがめる古代の宗教観が全体的に伝わってきた。水の利益だけではなく、災害についても、削り残された地形の天白磐座遺跡に助けを求める気持ちが強かったかもしれない。

 地元の人々が遺跡分布調査から発掘まで縦横無尽に活躍していて、強い郷土愛を感じた。月ノ輪遺跡を思い出すなぁ。
 天白磐座遺跡の見開き写真が夜と昼で二枚も(つまり4ページも)載っていて著者が遺跡の神聖な雰囲気を読者に伝えたがっていることがよくわかる。
 夏でも涼しい風が吹き抜けて、蚊が少ないのはいいな。

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