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南九州に栄えた縄文文化〜上野原遺跡 新東晃一

 火の国九州の鹿児島、桜島を対岸にみる上野原台地に縄文時代最古の定住集落が発見された。
 東が栄え、西が追いかける状態だと考えられがちな縄文時代の火山活動によって覆された歴史が明らかになってくる。

 喜界カルデラから吹き出したアカホヤ火山灰をキーにして、南九州での遺跡発掘事情と、先進的だった土器や精神文化の様子が説明されている。
 安直に解釈すれば、温暖ゆえに早めに縄文文化が発達できたが、火山によって壊滅し、東からの揺り戻しを受ける形で回復したというストーリーが立てられる。
 南九州からの避難は間に合わなかったようで、東日本の縄文文化は南九州にかつて発展していたものとは別系統に近いようだが……もしも、喜界カルデラの噴火がなければ縄文時代の発展は異なるものになっていたのかもしれない。
 大噴火を止めるのも、6400年前からの歴史IFを考えるのも壮大すぎるが……。

 上野原遺跡の竪穴式住居は一般的な竪穴式住居とは異なるようで、独特の復元図が提示されている。雨水の流れ込みには強そうだ。
 連結式土坑をつかった薫製の話もおもしろかった。上にかけた葉っぱが変色することで煙が適温(65〜70度)より上がったことが分かるというのは便利だな。10時間も山桜の生木を燃やし続けるのは大変だったろうけど。

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南九州に栄えた縄文文化・上野原遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
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