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北陸の縄文世界〜御経塚遺跡 布尾和史

 石川県は金沢市。手取川がつくる広大な扇状地のなかに、足の踏み場もないほど多くの穴が残された御経塚遺跡が存在する。
 巨大な柱の立った建物、またはモニュメントがあったと考えられる北陸晩期の縄文遺跡の様子を今に伝える。

 本当にぼこぼこ穴が空きすぎで、図をみてもそのままでは読みとれない。絨毯爆撃でも受けたのかと思ってしまう。
 そこで柱穴の数がすくなく、水につかっていたことで柱根がのこっていた御経塚遺跡近隣のチカモリ遺跡が比較対象にあがってくる。途中はチカモリ遺跡の話題がおおくて、どっちの遺跡が主人公なのか分からなくなってくるほどだった。

 著者によって北陸の縄文晩期の遺跡に存在すると考えられる巨大な建物の存在は興味深い。縄文時代が平等社会といっても、指導者とそれ以外ではやっぱり差があるのかもしれない。だとしても指導者が血縁によって決まっていたかが、とても重要で気になるところなのだが、日本の遺跡では骨がでないからなぁ……。

 北陸だけに玉類の出土が多く、ヒスイ産地が近いことを感じたが、意外にも九州中部から産したクロム白雲母製の装身具が多いことに驚いた。雲母なら加工がしやすくて、クロムが入っていれば緑だからヒスイのイミテーションには向いているだろうなぁ。
 確かに日本海側の交通が活発だったことを感じさせる出土品だ。

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北陸の縄文世界・御経塚遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」087)
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