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戦争遺跡の発掘〜陸軍前橋飛行場 菊池実

 シリーズ最新作(遺跡が)!
 太平洋戦争にあたって急遽群馬県の前橋につくられた飛行場の歴史を発掘調査と文献資料からまとめている。文献に頼りすぎな印象はあったが、特攻隊の記録には衝撃を受けざるをえなかった。死にいたる任務がどれだけ若者の心を壊していったことか……心の整理などできるはずがない。
 無理が現場に押しつけられる構造はいまだに変わっていないのではないか。

 前橋飛行場の発掘調査結果については、数十年前のことでも分からないことが多いのだと感心した。細かいところまで突き詰めていけばいくらでも分からないことが湧き出して来るともいえるかもしれない。
 飛行場の建設にともなって遺跡が破壊されてしまっていることは大変残念だ。水田を避けたことで、湿地帯を水田に土地利用していた時代の遺跡に当たることになった形かな。過去の水田だって遺跡になるので、破壊していいわけではないが……突き詰めると土地に対しての働きかけが何もできなくなるな。

 飛行場建設前の排水設備と、飛行場廃止後の排水設備が出土している点が非常に印象的だった。戦争は人々の営為を破壊するが、人が生きている限り、営為は戻ってくる。
 戦争と人の戦争が土地に記録されているのをみた思いだ。

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