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泉北丘陵に広がる須恵器窯〜陶邑遺跡群 中村浩

 大阪府南部の丘陵地帯で営まれた須恵器窯群の研究から、これらが操業されていた時代の技術や須恵器の編年が明らかになった。
 全国的に応用できる貴重な編年情報がえられた経緯が紹介される。

 平野のイメージが強い大阪にも山林はあるんだな。いまではかなり開発されて、昔の気配を失っている部分もあるようだが、そのおかげで発掘されたわけでもある。
 炭の研究から燃料が灌木からアカマツに変化していく様子が観察されていることが興味深い。著者の書き方ではアカマツが燃料に適していたから意図的に植えていたというわけでもないようだ。
 バイオマスを徹底的に絞られて山の風景は様変わりしたことであろう。

 名前はよくでてくる須恵器について基本的な知識をえることができた。渡来系の須恵器は保水性は高いが、耐火性は低い。逆に弥生式土器から連続する要素をもった土師器は耐火性は高いが保水性は低い。
 そんな事情からうまく住み分けていたらしい。いかにもテストに出そうだなぁ。

 窯の形状については斜面をつかった登窯より平窯の方が成功率が高かったらしく、技術的に興味深いところだ。焼成品の配置のしやすさも関係しているのかなぁ。

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