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エボラ出血熱とエマージングウイルス 山内一也

 2014年から西アフリカで猛威をふるったエボラウイルス。その起源と研究の歴史を日本で第一人者的な立場にある著者が紹介する。
 エボラウイルスの仲間であるマールブルグウイルスやラッサ熱についても、先に紹介。というか、これら二つが先に発見されているのだが、エボラウイルスがすっかり有名になってしまった。
 三つとも非常に恐ろしいウイルスである。政府や人類のレベルでは恐ろしさに差を付けて評価することができるかもしれないが、個人にとってはどれも絶望的に危険だ。

 ウイルス研究の歴史は実験施設の歴史でもあり、アメリカのCDCとユーサムリッドが中心的な役割を果たしてきたことがわかった。ともかく怪しければCDCに送るのが基本的な流れだ。
 これをアメリカの税金を使ってやってくれているのだから、非常にありがたい。そして、日本の研究施設の利用体制が先進国でありながら整っていないという話に絶望した。わざわざ国外のP4施設を借りにいかなければ「生きたウイルス」の実験ができないとはもどかしい。
 エボラ出血熱に効果のある薬品として富士フイルムの薬がニュースになった記憶があるだけに、日本政府には何とかしてほしいと強く思った。
 著者が本書を書いた動機もそこにあるのかもしれない。

関連書評
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エボラ出血熱とエマージングウイルス (岩波科学ライブラリー)
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