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新訳 孟子「孔子の正当な後継者」が唱えた理想的なリーダーの心得 守屋洋

 儒教を代表する人物の一人である孟子の言葉から、著者が選んだ80弱の言葉を紹介するお手軽な一冊。もちろん言葉は深いのだが、解釈も深いとは限らなくて「最近の若い者は」になりかかっているコメントに抵抗感を覚えた。
 バブルの時の休日表をみて(こんなに休んで大丈夫なのか?)と思ったエピソードには、ゲッソリした……問題は本当に生産性があがって変化にも対応できる状態になった上で休めているかじゃないのか?
「苦難が偉大な人間を創る」系の言葉は本人が胸に秘めて糧にしていくならば有用だが、他人のために振り回されると害になる。まさに儒教だと感じてしまった。

 ただし、後半の君主のなすべきことを述べた部分では、上に厳しい姿勢がみられており、前半も言葉の主な対象が大きな権力をもった存在であったことがハッキリする。あるいは志のある人物か。儒教は社会全体にやらせようとすると、おかしくなる。
 時代的地域的にに――というよりも、同時代の君主も反抗しているから、理想主義的で?――ひっかかる考え方も散見されたものの、さすがに有用な言葉が多く述べられていた。
「仕うるは貧のために非ざるなり。しかれども時ありてか貧の為にす」のとりあえず生きるために仕事をするのもしかたがないとか、「仮の仕事」でも責任はしっかり持ってやるとか、卑近な考えもあわせて人生設計の助けになりそうだ。
「恒産なくして恒心なし」は「衣食足りて礼節を知る」に近いけど、個人よりも社会設計的なところが好き。

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[新訳]孟子
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