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ビジュアル版 縄文時代ガイドブック 勅使河原彰

 表紙では土偶が総出で歓迎してくれる縄文時代のガイドブック。縄文のビーナスもいいけれど(反対側には仮面のビーナスも)遮光器土偶の異彩には目を奪われる。
 日常生活で使用する土器にいたるまで日本中の人々がみょうちきりんな物を得意げに作っていた時代とイメージすれば、案外実体に近いかもしれない。
 よいことだ。

 本書の内容は小さなことから、大きなことへ、かゆいところに手が届く親切さで丁寧に紹介してくれている。
 縄文時代にも階級差があったとする説がいきおいを得始めているが、著者は真っ向から反対する立場のようだ。確かに世襲になっていないなら平等性のゆらぎは限定される。
 一世代の差が次の世代に引き継がれていかないなら、階級も固定されない。

 ひとつの世帯が基本的に両親と子供による「核家族」と考えられる点が興味深かった。日本人は一万年を核家族で過ごしてきたのだ。大家族が伝統的な生き方?なにそれ?(と言っても注で、近代の核家族とは異なり共同体から完全に独立して生活できたわけではない点に言及されている)。
 他にも農業や黒曜石などの採掘生産の話題があり、分業がおこなわれないまでも、縄文人が彼らの知識で周辺の資源を最大限に活かして生きていたことがわかる。
 そうして、いろいろな方向に蓄積をおこなったから、弥生時代の水稲栽培という一つの方向に飛躍できたのだろう(北海道と南西諸島は水稲栽培が向かないので別の方向に成長している)。

新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

ビジュアル版 縄文時代ガイドブック (シリーズ「遺跡を学ぶ」別冊03)
ビジュアル版 縄文時代ガイドブック (シリーズ「遺跡を学ぶ」別冊03)
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