「弥生時代」の発見〜弥生町遺跡 石川日出志
2015.06.24 Wednesday | by sanasen
うっう〜!モールスの薫陶をうけた第二世代の日本人達が発見した縄文土器とは異なる弥生土器とそこから展開した弥生時代認定に関するドキュメント。
考古学の草創期ということもあるのかもしれないが、アマチュアの蒔田鎗次郎氏が大きな役割をはたしており、研究方法の先進性もあいまって強く印象に残った。土器の編年についても九州のアマチュア研究家、森本六爾氏が活躍していて、弥生時代はアマチュアが育てたと言えないこともなさそうだ。
肝心の弥生町遺跡については、有坂氏が土器を発見した場所がはっきりしなくなっており場所の細かい議論などがあったりする一方で、遺跡の全体像については未だに推定部分が残る。
発見されたのは東京にあったからだが、研究が進まないのも東京にあるせいだ。なかなかままならない。
東京大学がすぐ近くにあるそうで、加賀藩江戸屋敷だけではなく、弥生時代の遺跡にも関わっているのかと東京大学のイメージが変化していく。
最初に発見された土器が、整理していくと実は古墳時代に属するかもしれない件については、考古学者の柔軟性を評価することにしたい。するしかない。
関連書評
泉北丘陵に広がる須恵器窯〜陶邑遺跡群 中村浩
吉備の弥生大首長墓〜楯築弥生墳丘墓 福本明
弥生実年代と都市論のゆくえ〜池上曽根遺跡 秋山浩三
東西弥生文化の結節点〜朝日遺跡 原田幹
南国土佐から問う弥生時代像〜田村遺跡 出原恵三
シリーズ中の弥生時代の本は意外と?少ないのだ。
新泉社 遺跡を学ぶシリーズ感想記事一覧

「弥生時代」の発見―弥生町遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
考古学の草創期ということもあるのかもしれないが、アマチュアの蒔田鎗次郎氏が大きな役割をはたしており、研究方法の先進性もあいまって強く印象に残った。土器の編年についても九州のアマチュア研究家、森本六爾氏が活躍していて、弥生時代はアマチュアが育てたと言えないこともなさそうだ。
肝心の弥生町遺跡については、有坂氏が土器を発見した場所がはっきりしなくなっており場所の細かい議論などがあったりする一方で、遺跡の全体像については未だに推定部分が残る。
発見されたのは東京にあったからだが、研究が進まないのも東京にあるせいだ。なかなかままならない。
東京大学がすぐ近くにあるそうで、加賀藩江戸屋敷だけではなく、弥生時代の遺跡にも関わっているのかと東京大学のイメージが変化していく。
最初に発見された土器が、整理していくと実は古墳時代に属するかもしれない件については、考古学者の柔軟性を評価することにしたい。するしかない。
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