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動きで見る民族衣装の描き方 シーン別描き分けのコツ248パターン 玄光社

 ヨーロッパ・アメリカ・アフリカ・中東・そしてアジアの民族衣装をイラストに描くときのポイントを実例となるイラストつきでまとめた本。
 正面・側面・背面のカラーイラストが基本で掲載されており、モノクロイラストとして、かがむ・イスに座る・しゃがむの三つの動きと、民族衣装に似合った二つの動きが掲載されている。たとえばカウボーイは銃を撃つシーンが載っている。多くの民族衣装が晴れ着であることも関係して、ダンスの絵も多い。

 こうして描き方をみると、イラストを描くことの大変さがわかる。何気なく見ていることでも描く方はしっかり考えて描いている。そうでないと、どこかで違和感のある絵になってしまう。
 しかも、民族衣装の中には幾何学模様の繰り返しや、大量のフリルを持つものがあり、これに動きをつけるとなれば物凄いことになる。

 某漫画作品で有名に違いないカザフスタンの花嫁衣装コイレクはまさに虐殺的なフリル量!!よっぽど好きでなければ描けないんじゃないかと心配になってしまう。モノクロページでは柄は服のシワをみせるために省略されることがあるのだが、シワのかたまりであるフリルは当然のように省略されていない……担当した鶴島たつみ先生はおつかれさま。他にも表紙でいちばん大きいチュッタイなど特に難しい民族衣装を担当していたと重う。

 個人的に気に入った民族衣装はポルトガルのミンホタとウズベキスタンのクイラクだな。(中の子が)かわいい!!ミンホタたんにはハンカチを縫ってもらいたい。クイラクたんはしゃがんでいる絵の笑顔に心臓を打ち抜かれた。
 全体的にモノクロイラストに人物の魅力を感じることが多かった。カラーをみた直後なので情報不足を脳が補っているのか、やっぱり動きがあるほうが生きている感じがして惹かれるのか。
 クイラクの川に映る虹をイメージしたという色彩感覚はとても素敵なものなので、是非ひろまってほしい!特別に冬服のイラストもおまけページに載っていて眼福。

 他ではブルカのモノクロが衝撃的だった。顔の部分を半透明で表現しないと、ほとんど中世の騎士みたいな印象になる。特別な動きの絵で脱いで見せているのと子供を抱いて笑顔になっているのが、ギャップの魅力を最大限に引き出しているが。
 サウジアラビアのトーブに怖い感じをもってしまうのは、どう考えても新谷かほる先生が悪い!!エリア88でトーブを着たいろいろな人々が……イラストの青年はモノクロページで砂山をつくっており、かわいい。

 本の最初に男性と女性の違いの解説があったのだが、イラストレーターによっては中性的なキャラクターもあって、性別が判断できないことがあった(キルトのことじゃないよ?)トルコのシャルワールを着ているのは起源が「ハーレムの女性衣装」とあるから女の子でいいのだろうか?
 こんなにかわいい子が……。
 ヴァイキング衣装の子も性別がわからない。
 どちらにしても片方の性別の衣装しか描かれていないので、クイラクのように男女共用の注意書きがない場合は、この一冊でひとつの世界観を描くのは難しくなる。その点は注意が必要。

 イラストに注意書きをしている人とイラストレーターは別の人らしく、注意書きの筆跡はすべてのイラストに共通している。そのせいか、矛盾していることがたまにあって面白い。
 メキシコのケスケミトルで「下半身は身体のラインを強調しない」と注意しているのに、実際のモノクロイラストはスカートのラインに乗る脚のラインがモロに現れていて露出していないのに恐ろしくエロティックだった。

 そんなこんなで目の保養になる一冊だった。

掲載イラストレーターさんリンク(巻末にサイト記載のある人のみ)
「くろでこ」のプロフィール [pixiv]
minosiba:みよしのさん
Cielo 「pon-marsh」のプロフィール [pixiv]
「みり」のプロフィール [pixiv]
鶴島たつみ|WEB SITE
「ゆーら」のプロフィール [pixiv]

動きで見る民族衣装の描き方 (玄光社MOOK)
動きで見る民族衣装の描き方 (玄光社MOOK)
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