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中世ヨーロッパの都市の生活 ジョゼフ・ギース/フランシス・ギース 青島淑子 訳


 1250年のトロワへようこそ!シャンパーニュ伯のお膝元。二つの大市で名のしれたフランスの都市へ歴史旅行ができる一冊。読み終えたときには中世を身近に感じることができるようになっているかもしれない。その通りに振る舞ったら法律を犯す危険があるのでご用心。
 そんな心配をしてしまうほど深く印象を浸透させてくる。ほとんど知らなかった代々のシャンパーニュ伯にも親しみがわいてきた。聖王ルイ9世の母親に魅了されたティボー4世がおもしろい――と言わざるを得ない。
 ルイ9世が独り立ちするまでフランスを支え続けたカスティリアの女傑だからなぁ。能力的に魅了されるのも納得できる。

 タイトルにもなっている都市の生活については、買い物から職人の仕事。市の様子などなど多様な視点から紹介してくれている。
 ライトノベル「狼と香辛料」に影響を与えているんじゃないかと思ったけれど、2006年の発行だから、どうかなぁ。
 ヨーロッパ中から商人がトロワを目指して集まってくる様子が興味深かった。そして、金融取引の発展によって、商人がみずから動かなくても取引が成立してしまうようになったのが寂しかった。

 中世の文学作品「フラメンカ」に出てくるギヨーム・ド・ネヴァールのコテコテチート設定に悲しくなった。でも、頭の位置より高い蝋燭を足で消せるって表現は気に入った。
 中世でも人間の考えることは一緒か。駆け落ちせずに不義をつづける展開に驚いた。倫理観が違う?

関連書評
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中世ヨーロッパの都市の生活 (講談社学術文庫)
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