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劉邦・上 宮城谷昌光

 なんの予備知識も持たずに読みたかった……。
 低い身分で、しかも中年を過ぎてから皇帝にのぼりつめた奇跡的な人物、劉邦の一生を描きそうな歴史小説。
 「五彩の気」や龍の話題があって、ファンタジックである。劉邦が出世する理由が運命論だ、龍(ロン)だけに。

 劉邦を讒言した人物は誰なのか。彼の率いる賦役の男たちから脱走者を出させたのは誰なのか。
 小さな謎が上巻が終わっても謎のまま残されている。気になりすぎる……!とりあえず擁歯じゃなさそうだ。
 後の○○個の長であるって、説明されていく人物たちでもない――もしかしたら許されて出世するかもしれないが、ラスボス化系天下人だからなぁ……劉邦の中で猜疑心の鎌首がもたげるシーンにはちょっとしたことなのに大きな戦慄を感じてしまった。
 そこは史実を知っているからこその効果であろう。この作品で初めて劉邦を知った人には、もう一度読み返してほしいねぇ。

 それにしても周文は大人気だな!彼がいったん撃破されてからも、立て直して時間稼ぎしたことが歴史を間違いなく変えたんだよなぁ。地味な仕事だけど。
 劉邦の仁義に厚いキャラクターが爽やかでよい。ゴロツキらしさがほとんどない……それはそれで少し寂しいな。

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宮城谷昌光作品感想記事一覧

劉邦(上)
劉邦(上)
川を渡ったらすぐに離れる理由をはじめて詳しく読んだ気がする。分かりやすくてありがたい。
カテゴリ:時代・歴史小説 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0)

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