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斉明天皇の石湯行宮か〜久米官衙遺跡群 橋本雄一

 タイトルに「か」を入れるなんて、スポーツ新聞みたいだ。ずるい。しかし、特定できないのに言い切ってしまうのも誠実ではない。タイトルにしないと内容を強調できなくなってくるし難しいところだ。

 ただ、内容も「造営尺」の考察をメインにしながら、モヤモヤするものが残る印象になっていた。日本の古代史に関わるなかなか重要な遺跡みたいなのだが……。
 久米官衙遺跡群は瀬戸内海の海路にとって伊予が占めていた重要な役割が、古代からつづいているものだと強く感じさせてくれる。ついつい戦国時代と比較して考えてしまう。

 建物の年代におうじて次々と変化する造営尺については、大唐尺みたいな大陸の規格を使っていたら、万が一にも侵攻をうけた場合に支配を容易にしないかと思った。
 ちょうど鉄道軌道の規格を周囲と合わせることと別にすることのメリットとデメリットのように。
 建物の大きさだけなら大きな影響はないかもしれないが、支配体制そのものが中国に習っているからなぁ……唐との関係が怪しくなったときの焦りには、そういう弱点を抱えている意識があった可能性がある。

 発掘の地図をみていると遺跡が完全に住宅地のただ中にあって調査が断片的になる苦労が偲ばれた。いっそ大都市なら大規模なビルや大学、マンションの工事でいっぺんに調査されるのになぁ――そういう例だけが目立って記憶に残っているだけかな?

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斉明天皇の石湯行宮か・久米官衙遺跡群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」084)
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