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奈良大和高原の縄文文化〜大川遺跡 松田真一

 縄文時代草創期の出土品が発見された奈良県の大川遺跡。
 サヌカイトの矢尻が大量に発掘される、この時期、この地域の姿を浮かび上がらせる一冊。
 京都盆地の縄文遺跡と同じように、縄文時代の近畿地方では小集団による生活が基本であったことが伺える。

 川原の段丘上という立地が流行している様子も興味深い。屈曲部の攻撃されない側であるが、大洪水の時は水に晒されたかもしれない。
 槍の穂先と分析されている中には、銛の穂先があって、そのせいで余計に種類の統制が取れていないように見える可能性はないのかな。弓が全盛のときに、かえしのついた投げ槍がどれくらい使われるのだろう。うーむ、素人考え?

 矢尻の材質としてはサヌカイトが盛んに使用されていて、ずらっと並べられると工業生産的なものすら感じてしまった。仕事がとても丁寧で、獲物に当たるようにひとつひとつ「念」を込めて作られた印象を受ける。
 サヌカイトでも薄く加工されると刃の部分で透明感がでることがあるのだな、と感心した。

 メインテーマである土器については、あいかわらず難しい。集団としては小さくても、きちんと流行が波及しているところは、とても面白いと思った。
 小集団でも決して孤立していないことが感じられる。

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