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激闘 東太平洋海戦1 谷甲州

 ミッドウェイを巡る架空戦記の決戦。その1。
 ソ連とのいざこざの結果生まれたキ74特号機が、海戦の中の陸軍機として大きな役割を果たすシリーズだ。考えてみるとこの作品において試作機は日本軍が使えば際どいながらも見事な仕事をして戦訓を残し、米ソが使えば苦労の末に鹵獲される運命をたどっている。この効果によって埋められた技術格差はかなり大きいはずだ。
 新兵器で直接的に戦局を変える事は困難でも、こうやって間接的に戦局を変えていく事はできるわけだ。

 その結果、開発されたもののひとつが最後の射撃レーダー。もはや史実とは隔絶の感がある。まぁ、蓮美大佐のいる戦場だから何が起こっても不思議じゃない――というより何か起こらなければ不思議なのだが。

 プロローグとエピローグで地味に撃沈されたエセックス級は補用機を運んでいたんだっけ?あれも大規模な陽動の一環で伊168はまんまとそれに引っ掛かったのかもしれない。米軍側の視点がなすぎて何ともいえないが……。どちらにしろ藤波艦長のしぶとさが想像の斜め上をいっていた。
 何度か読んだ話だが、またまた続きが楽しみになってきた。

谷甲州作品感想記事一覧

激闘 東太平洋海戦〈1〉―覇者の戦塵1943
激闘 東太平洋海戦〈1〉―覇者の戦塵1943
谷 甲州
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:01 | comments(0) | trackbacks(0)

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