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さかのぼり日本史9平安〜藤原氏はなぜ権力を持ち続けたのか 朧谷寿

 摂関政治をおこない、満月のような力を誇った藤原家。その歴史をさかのぼる形でみていく。菅原道真がやっぱり可哀想になる話。
 家系図がどれもこれも複雑怪奇なことになっているが、あまり深く考えてはいけない。叔母と甥の結婚を二代の天皇に続けさせる藤原道長が怖い……更に前には従兄弟婚があったわけでハプスブルク家かと。
 天皇の血に対する執着が一族の本能になっていることを疑う。同族間でも争い、他氏排斥を酷薄なほどに行った藤原氏にとって、天皇の血とは至近距離にある安全の象徴だったのかもしれない。彼らの強大すぎる力は、天皇すら危険に晒していくことになるが。
 他氏排斥の行動にはどうしてもカッコウが巣の卵を蹴り落とす行動を連想してしまう。報復されることの恐怖を考えれば、一度はじめてしまったことは途中で止められない。徹底的に行くところまで行くしかないのではないか。
 最後に藤原氏もドロドロした側面だけじゃないんですよと取り繕うようにフォローされていた事が印象に残る。現代にも続く一族だからね。シリーズのタイトルが、さかのぼり藤原氏でも10巻までは行けるし。

 あと、周辺情報的に挙げられた平城天皇の逸話「父の桓武天皇が他界したとき、すでに三十歳を過ぎた成人したが、手足をばたばたさせて激しく泣き、一週間、粥しか口にしなかったと伝わる」にびっくりした。代を重ねているから、いろいろな人がいるなぁ……記録した同時代人はどんな気持ちだったのやら。

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